不動産投資コラム

目標が何よりも大事!!

最近のご相談の中でとても考えさせられたことがありましたので
ご紹介します。
相談内容は、
「築30年オーバーのRCを高利回りで購入したいのですが
どう思いますか?」
という内容。
弊所にご相談に来られる方は、
そのほとんどが新築又は、築25年以内のRCの購入です。
なので、この手の物件をご相談として考えたのは初めてでした。
それもそのはず、
今日の不動産投資はキャピタルゲイン狙いではなく
インカムゲインがメインです。
つまり物件保有時のキャッシュフローを重視します。
キャッシュフローが回るかどうかは、一番は
「借入期間」によります。
借入期間はRCの場合、「47年-築年数」
築年数が30年となると、借入期間は17年となり
相当利回りが高くないと
キャッシュフローは回らなくなってしまいます。
そのため、築年数が25年ぐらいが精いっぱいなのです。
築30年オーバーでしたので
保有時のキャッシュフローは殆ど期待できないなと思っていたのですが
これが、かなりキャッシュフローが出るのです。
よくよく見てみると、
なんと、築30年オーバーの物件に35年の融資がついているのです。
みなさんは、この借入をどう見ますか??
こんな条件で借りられるのなら、羨ましいと思いますか?
それとも、警戒しますか?
私は、パッと見たときは、「とてもいい条件で借りられたのだな」
と思ったのですが
客観的に会計の面から考えると、
資産価値の低くなっていくのに対して
負債が全然減っていきません。
これは、耐用年数が短いため、減価償却が早く進むのに対して
借入期間が長いため元本がなかなか減らないということです。
ということは、しばらく経つと
会計上の財産評価は負債の方が大きくなってしまうということです。
ここで、私はご相談者様に尋ねました。
「○○さんの最終目標は、どこですか?」
迷った時は原点に返ります。
「もし、最終目標がキャッシュフロー××円/月
ならば、この物件だけでは足りません。
なので、買い進める必要があります。
買い進めるとは他の銀行から融資を引くということ。
この物件を、この融資条件で購入すると
キャッシュフローは入ってくるが
最終目標からは遠ざかるのではないでしょうか?」
と申し上げると、なるほど・・・
と、分かっていただけたようです。
なかなか安い物件が出てこない中
やっと見つけたスキームで
これからの夢を描いていらっしゃったと思います。
ご相談者様はとても残念そうでしたが
この物件を購入して、不動産投資のラインから外れてしまう方が
良くないと思いますし、
私は一人の不動産投資家を救うことができたと思っています。
よくよく考えると、
そこの銀行で借入期間を伸ばして一度借りてしまえば、
次の物件を購入する際には
決算書が債務超過になってしまっていて
他の銀行では借りることが難しくなるでしょう。
すると、またその銀行で借りることになるのでしょう。
そこの銀行がそこまで意図しているかは分かりませんが
結果、そういう不測の事態に陥る可能性があるので
必ず、購入前はいろんな人の意見を聞いてくださいね。
不動産投資のスタイルは人それぞれです。
「フルローンで借入期間が長い方が絶対にいい!!」
ということはありません。
必ず、自分のスタイルや最終目標を決め、
それに合った条件や物件を探すのが重要です。
《編者 塩田雅人》


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