所得税を賢く節税

区分を持てば経費は増える?

今日は必要経費について、お客さんからご質問がありましたので、紹介したいと思います。
【質問】
現在、仙台に1棟8戸の物件を所有しています。
このような8戸の物件を所有している場合に区分所有のマンションを
近畿と青森に一件ずつ購入して10戸にすれば、近畿に行ったり、
青森に自動車で行ったりする事が経費で落ちたりするのではと思っています。
一番の疑問は10戸中1戸が近畿、1戸が青森でそれぞれ近畿と青森の
年間の家賃収入が30万円ぐらいのときに飛行機代等がどのぐらいまで
経費で落ちたりするのかということです。
10戸全ての収入に対して経費は落ちるのか、自動車を使用するのが
青森の物件であれば青森の家賃分に対して自動車の経費が認められるのか
がよくわかりません。
教えていただければ幸いです。
よろしくお願いします。
【回答】
まず基本的な考え方ですが、必要経費は
「その所得を得るために直接要した費用」
ですから、不動産所得を得るために使ったのかどうかということです。
と、いうことは仙台の物件を所有していて、
近畿や青森に物件を探しに来るためだけに交通費を使ったとすれば、
「不動産所得を増やすために要した費用」ですので、全額が経費になるでしょう。
例えば僕のセミナーに参加するために神戸に来れば、それは必要経費ですね。
しかし近畿や青森に来る目的が、物件を探しに来ただけでなく、
観光や帰省が入っているなら、その割合分は経費に落とすことができません。
ですから近畿や青森に物件があるなしに関わらず、
「不動産所得を得るための費用」かどうかがポイントです。
もちろん近畿や青森に物件があれば、税務署に対して説明はしやすいですが・・・。
最終的には税務署に突っ込まれてもしっかりと説明できるかどうかです。
また、物件の収入ごとに費用を案分する必要はありません。
それは仙台も近畿や青森の物件も、すべてが一つの不動産所得ですから、
それを得るために要した費用でしたら、割合は関係なく全額が経費にできます。
そして10戸というのはあくまで事業的規模の話ですので、
合計10戸でなくても、色んな地域に物件があって、その物件を管理するために
費用を使ったのであれば、必要経費になります。
もちろん事業的規模であれば節税の幅は増えますが。