個人の所得税率と法人の法人税率を比べて、
どちらの方が有利か。
この比較はとても大事です。
ただし、法人化すればお給料として役員報酬を払うことができますので
必ずしも、その税率差だけを見ていては法人化のメリットの適切な判断ができません。
仮に個人で物件を所有し、1千万円の不動産所得があるとします。
この人は、1千万円から所得控除を引いた額に所得税率がかかってきます。
一方、この物件を法人へ移したとするとどうでしょうか。
これは、法人での所得になるため1千万円に法人率がかかってきます。
ただし、ここで法人から個人へ役員報酬を1千万円払ったとします。
すると、法人では所得が0、個人では給与収入が1千万円となります。
給与収入には給与所得控除(サラリーマンの概算経費のようなもの)があります。
1千万円の場合には、給与所得控除は220万円。
給与所得(給与収入-給与所得控除)は780万円。
よって、所得税は780万円から所得控除を引いた額に所得税率を掛けた金額となります。
気付きましたか?
個人で持っていた場合には「1000万円-所得控除」だったのが
法人で保有し、役員報酬で個人へ落とした場合には「780万円-所得控除」となります。
どのタイミングで法人か個人か。
これにはいろんな要素が複雑に絡み合っていますので、
一概には言えませんが、規模が小さい物件(利益があまり出ない物件)以外の場合には
法人の方が節税効果は高いと言えそうです。
《編者 スタッフ》
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