今回は、AさんとBさんで共有の土地を
二つに分けて、
一つの土地をAさんが
もう一つの土地をBさんが
それぞれ単独所有とした場合に
どういった税金が発生するのか説明したいと思います。
例えば、共有地の面積が200平米で
AさんとBさんの持分が1/2ずつだったとします。
これを、真ん中で切って(分筆といいます)
左の100平米の土地をAさんの単独所有
右の100平米の土地をBさんの単独所有
にしたとします。
この場合、実は税金が発生しません。
これを聞くと、「あたりまえ!」と思う人と
「そんなはずはない!」と思う人がいるでしょう。
「あたりまえ!」と思う人は面積が半分なのだから
「もともとの土地(200平米)×50%=半分の土地(100平米)×100%」
と考えるからでしょう。
一方で、「そんなはずはない!」と思う人は
土地の金額は面積だけで決まるのではないと考えるからでしょう。
例えば、左の100平米(Aさん単独所有)の土地は道に接しているが
右の100平米(Bさん単独所有)の土地は道に接していない場合
「Bさんの方が損じゃないか!」
ということです。
常識的に考えれば、後者の方が理論的ですよね。
ただし、税務の世界は理論が全てではありません。
今回のケースでは「共有地の分割」という特例が適用されます。
そこには、まず持分割合と面積比が同等であることが
条件として明記されています。
理論的には、Bさんが損すると思ってしまいますが
そういう特例なので仕方ありませんね。
で、この特例に該当した場合には
「譲渡はなかったものとする」
なので、分割前の貸借対照表に載っている
帳簿価額をそのまま適用するということになります。
仕訳でいうと、「特に何もきらない」
ということになります。
ちなみに、この特例には但し書きがあり
持分割合と価額比が同等の場合でも
適用できますよ
となっています。
なので、面積比でなくても、価額比でOKです。
AさんとBさん両方とも納得するためには
価額比の方がいいでしょうね。
ただし、それはそれで何を価額(時価)とすれば
両者が納得するかが一番頭を悩ますところですね。
ということで、
税務上の処理はそれほど難しい話ではないのですが
結局、「AさんとBさんが納得のいく分筆」
というのが一番ハードルが高いということです。
《編者 塩田雅人》
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