不動産投資コラム

買いやす​い&持ちやすい=売り​にくい

最近、お客さんが持っている物件の
売却のシミュレーションをすることが
多くなってきました。
そこで、出てきた傾向について、
少しお伝えしますね。
物件を取得する時、
年収や自己資金が満足にない人ほど、
フルローン、オーバーローンで、
また融資期間も、
できるだけ長く組みたいものです。
これは、どんどん物件を増やしていきたい人も
同じ傾向があります。
なぜなら、フルローン、オーバーローンなら、
自己資金も少なくてすみ、
融資期間が長いほど、
毎年の返済額が少なくなるので、
取得した後のキャッシュフローが出やすいからです。
いわゆる、買いやすい、持ちやすい状態ですね。
でも、これが売却する時には
ネックになることが多いんです。
例えば、1億円の物件を、
1.1億円のオーバーローンで借りて、
融資期間が30年とすると、
残債が物件の購入金額1億円を切るのは、
4年後になります。
ということは、4年後までは、
買った時と同じ金額で売れたとしても、
追い金をしなければ、残債を返せないわけです。
また、返済だけがネックではありません。
物件が買った時と同じ金額で売れるということは、
物件所有時の減価償却分の売却益が出ます。
物件所有時の税金を抑えるために、
設備の減価償却を取っている場合などは、
この売却益もかなり大きくなります。
したがって最悪のケースだと、
売却した時に、追い金しなければ返済できず、
さらに税金まで払わなければいけない状態に
なる可能性もあります。
買いやすい、持ちやすいは、
売りにくいにつながることがあることも、
覚えておいてくださいね。
《編者 叶 温》


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