消費税を賢く節税

消費税還付のデメリット

僕の事務所では、今でもできる消費税還付のスキームを持っていますが、
物件購入時に消費税が数百万円単位で還ってくるというメリットはあっても、
デメリットはないのでしょうか?
実は、デメリットはあります。
消費税還付が成功すると、建物分の消費税が全額還ってくることになります。
例えば、総額1億円の物件で、
建物6,300万円、土地3,700万円だったとすると、
建物分の消費税、300万円が還付されます。
これがメリットの部分ですね。
ではデメリットですが、これは消費税が
税込処理か、税抜処理かで、
デメリットが発生するタイミングが違ってきます。
ここからは少し難しい話になります。
税込処理とは、仕訳を切る時に、消費税込で計上する方法。
さっきの具体例だと、
 建物6,300万円 / 現預金6,300万円
となります。
税抜処理とは、仕訳を切る時に、消費税を抜いて計上する方法です。
さっきの具体例だと、
 建物6,000万円 / 現預金6,000万円
 仮払消費税300万円 / 現預金300万円
と2本の仕訳が切られることになります。
税込処理の場合だと、消費税還付された300万円は、
その還付した期か、翌期の利益になります。
仕訳にするとこんな感じ。
 現預金300万円 / 雑収入300万円
だから、この雑収入300万円に対して税金が掛かってきます。
税込処理だと、購入時に建物の金額が300万円少なく計上されているので、
その建物の耐用年数に渡って計上される減価償却費が、
300万円分少なくなってしまいます。
仮にさきの例の建物の耐用年数が30年だったとすると、
年間10万円の減価償却費が少なくなるわけです。
 還付金300万円 ÷ 耐用年数30年 = 10万円
こうなると、毎年減価償却費が少ない分、
利益が発生することになるので、そこに税金が掛かります。
ただ、どちらも増えた利益に対して税金が掛かるといっても、
 増えた利益 × 税率 = 増える税金
となるだけなので、
最初に還付された300万円ほどの税金が発生するわけではありません。
だから、結局のところは、デメリットを考えても
消費税還付をした方が絶対有利ということです。
ちょっと難しい話になりましたが、
気になっていた方は、覚えておいてくださいね。
《編者 叶 温》


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