前回、家賃滞納分を損失にする方法をご紹介しました。
でも、ここで注意することがあります。
「貸倒損失」を計上できるのは、
不動産所得の規模が「事業的規模」の場合だけです。
事業的規模とは、不動産運営の規模が
5棟10室基準を満たすことです。
ですから、区分所有数戸とか、戸建て1棟とか、
一棟物件しか物件を持ってなくて部屋数が10戸未満の場合などは、
前回の条件を満たしても「貸倒損失」を計上することはできません。
では、事業的規模じゃない場合は、どうするのか?
これも税法で決められていて、
事業的規模じゃない場合は、
賃貸料に計上した年分までさかのぼって、
その賃貸料がなかったものとして、
確定申告をやり直すことになるんです。
確定申告をやり直すことを「更正の請求」と言いますが、
申告期限から1年以内でないとできませんので、
事業的規模でない場合は、今年に賃貸料として計上した滞納分は、
再来年の3月15日までにやり直す必要があるので、
しっかりと覚えておいて下さいね。
そして、事業的規模の場合は、
滞納分が回収できるのかどうかを、
11月から12月に検討して、回収できなさそうであれば、
借主に対して内容証明で債権放棄を通知するなどの処理をすれば、
今年の損失として計上することができます。
不動産投資の健美家